夏休み開始、今日は本を読んでいる

今朝から、本を読むことを目標に一日を過ごすことにして、読みかけていた津野海太郎の『花森安治伝』をまず読み終える。

 

引き続き『あしたから出版社』(島田潤一郎、晶文社、2014年)を読む。

いずれも、公共図書館で借りだした物。

 

花森安治伝』は、得るところが多かった。そのうちの最大なことは、私は、昭和期の文学者のことは、殆ど知らないということが分かったことだ。知りたいと思った。

マガジンハウスの岩堀喜之助が、花森安治の部下であったというようなことが書いてあった。そして、「暮しの手帖」の最盛期を過ぎたころに、マガジンハウスが、「クロワッサン」が出て来たというようなこともおもろしかった。そして、なによりも、私は以前、岩堀の評伝のような本、たしか『マガジンハウスを創った男 岩堀喜之助』というのを、面白く読んだという記憶があるにも関わらず、何も覚えて居ないと云うことに思い至って、頭の悪さを痛感する。

 

『あしたから出版社』というのは、文学書と認識した。とくにうまい小説ではないが、面白く読んだ。編集の素人が出版社を始めるに当たっての動機や、その後の経過を書いているわけだが、この素人さ加減が、鼻につかないか? というと、相当鼻につくのだが、それは、苔がはえ、ヘドロが溜まった私のような編集者が、針でちくちく刺されるような痛みを感じさせられたが、表面張力で皮膚の上で丸くなる赤い球がそこそこかわいらしいので、嫌な気持ちを引きずることはなかった。

 

176pに

たとえばある失敗を機にお金に困り、マーケティングなどといいだして、自分が必要としていない本を、これまで培ったノウハウで、ヒョイヒョイとつくってしまうように思う。

 

と自戒をこめて書いているが、これなどが赤い球である。