望月 アサヒクロスの廃業

本日、書面でアサヒクロスという商品名で布クロス(装幀織物)を販売大手の望月株式会社が、2007年2月9日をもって最後の注文日とする旨の書面を、会社が受け取った。

大きな衝撃を受けた。
しかし、
1.ウチの書籍で影響するものは何か?
2.その対処をどうするか

などをとっさに考え、社内関連部署に報告した。
幸いにも、アサヒクロスを使わせていただいた大きな全集が本年7月に完結し、増刷の見込みは、残念ながらない。他の大きなシリーズでも、まぁ代替えが効くだろうから、当面困ることはなさそうである。

とはいうものの、今後の成り行き・影響関係を、取引先の京橋紙業に問い合わせた。

布クロスのメーカーはそれほど、在庫を持たないので、在庫の処分や他社への売り渡しなどは考えにくいとのこと。布クロスは他社でまだまかなえる可能性があることを教えて貰った。
しかし、布クロスだけではなく、本クロスを使った書籍が少なくなっているという事実は変わらない。
現在でも、見本帳の統廃合が激しく、選択の幅が狭くなってきているとのことだ。
本クロスで、最後まで残るのは、バクラムやアートカンブリックという高級銘柄だろうという意見を聞いた。
しかし、その二つの銘柄は、めちゃくちゃ高級な本クロスの銘柄だ。
幸い、ウチの本には使用させていただくことも多いが、一般書ではほとんど見たことがない。

ちなみにバクラムを使った著名な本には、岩波書店の古典文学大系などがある。

長く世の中に残したい本には、丈夫な本クロスや布クロスを使うことが多い。一昔前は、学術書などは殆どが本クロスを利用していたはずだ。

なんとも気が重い、連絡であった。