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一部抜き(刷りとり)点検

昨日の午後は、月末に配本される本の一部抜き点検、刷りとり点検ともいう、を行った。
ほぼ午後2時から始めて、5時過ぎまでかかった。

私の一番嫌いな作業である。

ほとんど午後目一杯時間がかかるということについて、いぶかしく思われる方もいるかも知れない。
でも、事実であり、特にサボってとか、わざとゆっくりしていた訳ではない。

一部抜きの点検というのは、非常に重要な作業である。
なぜならば「一部」というのは、本にするための本文用紙に、正式な印刷機を回して印刷したものの中から、一枚ずつその用紙を引き抜いて、例えば、発行部数3000部であるなら、たぶん3,300枚ぐらい刷った用紙から一枚ずつ抜き取って、全頁分をそろえて、印刷発注者である、出版社の製作担当者に持ってくるものである。製作担当者は、それを受け取って、以下の点検作業を行うのが一般的である。

1.背丁の確認
2.ノンブル点検(頁数活字の順番点検)
3.柱の点検
4.目次の見出し&頁数表記と本文の見出し頁数の確認。
5.責了紙(最近はCTPだから黒焼き)上の赤字の点検。
6.奥付記載事項の確認。
ってとこなか。

ここで、間違いが見つかると、「刷り直し」という事になる。
刷り直しの手順は以下のようになる。
1.印刷所・製本所にどこを刷り直すか宣言する。その際、「○折り目が、誤植のため、刷り直し」とはっきり宣言して、できれば、ファックスを送る。
2.電話の際、印刷所には、刷り直しに必要な印刷用紙の在庫があるかを確認する。なければ、至急、手配を依頼する。
3.製本所に電話したときには、「現在の○折りは、ヤレにする」ことを指示する。新たに刷り直しをして納入されたものと、万が一にも紛れないようにするため、即刻廃棄処分にする。
4.刷り直しの印刷日程を確認して、製本所に連絡する。
5.製本所に製本完成日程を確認して、間に合わなければ、配本日程を遅れる段取りをする。ただ、早めに気づいて上記の処置を行えば、配本日程が遅れることは、まず無い。大体、印刷所も製本所も何とかしてくれる。大抵ムリを承知して、残業・夜なべをしても、間に合わせてくれる。

私などは、ここでつまずいたことは一度もない。予定を外さない。「トラブルの対処が、いつも早い」と褒められる。これは自慢である。しかし、本来こういうトラブルが無いのが当たり前なのである。人に褒められるのがこの事だけというのは、なんとも情けないことではないか、決して見習ってはいけない。


ところで、いくら注意深く見たからっていって、午後目一杯かかる仕事ではないだろうと不審を持つ方もいるだろう。私も、好きこのんで、時間をかけているのではない。その本は、B5判588頁で、目次中の項目が細かいのである。詳しく説明しないが、目次そのものに、検索機能を持たせてた、作りにしていいるので、目次と本文の対校・点検にすこぶる時間がかかるのである。

上記の点検が無事に終われば、まぁ、あとは製本所で、よっぽど大きなトラブルが無い限り大きな問題にはならない、はずではあるのだが、台数毎の予備が足りないとか、ドブの払いを間違えたとか、本扉のトンボが一刀断ちだとちょっとおかしい、などと、まぁ、かつていろいろ経験を積ませてもらったことが多い。


だから、あんまり落ち着いていられないのだ。
しかも、来週の月・火と休暇をとらなくてはならないのだ。