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引用文その2

活字のない印刷屋―デジタルとITと

活字のない印刷屋―デジタルとITと

4頁 オンデマンド印刷機 文中にある通り、コンピュータのデータをそのまま印刷機に送り込んで印刷してしまう形式の印刷機。まさしくプリンタそのものである。実際、オンデマンド印刷機の代表といえるゼロックスのドキュテックなどは、傍目から見ると、事務所によくある大型のプリンタ・コピー兼用機と全く区別が付かない。
4頁 CTP Computer to Plateである。コンピュータからフィルムを経ずに、いきなり印刷機に組み付ける刷版を出力してしまう技術あるいはその機械。これ以前は巨大なフィルム製版装置をふりまわすのが製版工程だった。
8頁 WYSIWYG WHAT You See Is What You Getである。あなたが「画面で」みたものはあなたが「プリントで」得た者である(に等しい)。画面の上の操作が正確にプリントアウトに反映されるという意味でDTP初期に使われた。今では当たり前すぎてその意味するところが伝わりにくいが、マウスを使わずにコマンドラインだけで組版する電算写植に比較してその革命性はわかってもらえるのではないか。
8頁 バッチ WYSIWYGの逆。組版プログラムだけで一気にすませてしまう。大量、定型には圧倒的な威力を発揮するが、反面、素人や初心者には使いにくい。
11頁 DCCP Direct Digital Color Proofing オフセット印刷とカラープリンターでは発色の構造が違う。そこで、オフセットの発色機構にできるだけ似せた出力をコンピュータから出力させようとしたのがDDCPである。色校正には色校正専用の印刷機械があったが、運用がきわめて高価になってしまうため、DDCPが使われるようになってきた。もっともカラープリンターの性能も上がっており、最終的にはカラープリンターの一部に吸収されるだろう。
14頁 イメージセッタ コンピュータの出力としてフィルムを出力する機会。元々はタイプセッタと言われたが、文字(タイプ)だけでなく写真を出力するようになってイメージセッタと呼ばせた。これもCTPの普及とともに死語となりつつある。
17頁 RIP Raster Image Procecer コンピュータで送られたデータを実際に目に見える状態に画像化するソフトまたは機械。ここではDTPで作られたデータをCTPから出力するために処理する機械といった意味で使っている。
17頁 青焼き フィルムそれ自体を青焼きの感光紙に密着させて光を当てると、精密なコピーがとれる。ゼロックスなどのトナー系複写機ができるまでは、なんでもかんでも青焼きで複写を作っていた。
20頁 フォトポリマー CTPの一方式。感光層に光重合系の物を用いる。CTPの初期に比較的によく使われた。
20頁 サーマル 熱という意味だが、ここではCTPの一方式のこと。高出力のレーザーによる熱で版を作る。明室での作業が可能で現在の主流方式。
20頁 FMスクリーニング Frequency Modulated Screening 写真を印刷するときの階調(濃い色、薄い色)を、従来のスクリーニング(AMスクリーニング)が、網点の大きさを変えることで表現するのに対して、ある領域のドットの数を変えることで表現する。FMやAMといってもラジオのことではありません。原理は似ていますが。
23頁 プラテン 印刷機構のひとつ。ローラーで押しつけるのではなく、平らな板を押し当てて印刷する。印刷としてはもっとも古典的な方式である。印刷物の形状に制約が少ないので、封筒印刷などには現在でも使われている。
30頁 RGB Red Green Blue 光の三原色。画面に表示する時の三原色で加法混色が標準。コンピュータやカラーテレビ画面の発色原理。たいして、印刷インキはCMYKCyan Magenta yellow Black)の4色のインキを使う減法混色。この差は単純に数式で数値変換できるほど甘いものではない。
33頁 キーレス印刷 印刷機の上で、色を調節するレバーやネジ(キー)などをまったくなくしてしまう印刷のこと。色の調整などは印刷機械ではなくCTP出力段階までですませてしまい、印刷機は標準色を律儀に刷るだけという方式のこと。実際問題としてはかなり難しい話だと思う。
51頁 IGAS International Graphic Arts Show 日本で行われる国際印刷機材展で、四年に一度開かれる。この記述はIGAS2003のもの。次回は2007年9月に行われる予定。
58頁 JDF Job Difinition Format 印刷工程間相互の情報伝達をコンピュータ上のファイルを通じてやりとりする。今なら、伝票を書いたり、大声で説明したり部分を電子化してしまう。
58頁 DI系 Direct Imaging 印刷機にデータを送り込んでそのまま印刷するオンデマンド印刷機のうち、印刷機上で印刷板を作成するタイプのもの。機構的にはオフセット印刷機そのもので、それに刷版作成機能が加わったという感じである。初期のオンデマンド印刷はこの機構が多かった。品質はもちろんオフセット印刷に近いが、弱点もオフセット印刷に似ている。CTPが普及してからはあまり顧みられていない。
58頁 ワントゥーワン 一人一人の顧客に対し、木目細やかな情報提供や宣伝をおこなうこと。印刷業界では顧客の志向にあわせて、一枚一枚配るDMのデザインをかえるようなことまで行う。
64頁 CD-ROM版 新潮文庫の百冊 CD-ROMに文字通り新潮文庫百冊分を収録した物。いわゆる文学とITの出会いが衝撃的で話題になった。15,000円という価格にもかかわらず、実際にかなり売れたらしい。今では名作と言われる物はネット上でいくらでもタダで読めるようになったが、それも画面で本を読むという具体例をこれが提示してくれてこそと思う。
67頁 パワーポイント 投射説明用のソフト。液晶プロジェクタでコンピュータの画面を投影しながら説明するためのソフトである。これができたおかげでスライドやOHPといったものはすっかり見なくなった。
85頁 CIP3 CIP4 International Cooperation For Integration of Prepress,Press,and Postpress CIP3はプリプレスで作成されたレイアウトデータを元に、印刷に必要な様々な情報(色情報、断裁位置、折り位置)を持ったデータを生成し、各デバイスの制御を行う。CIP4ではさらに各デバイス間で情報のやりとりできる機能をもつ。現在のところ、CIP3の一部である色情報の制御としての利用が多い。
88頁 APC Auto Plate Changer 印刷機の自動版替え機構のこと。
93頁 メイリングリスト あるアドレスにメールをだすと、そこのリストに登録されている全員にいっせいにメールが送られるシステム。同報連絡用に使う。うまく使うと、掲示板のように議論を行うことも可能だが、あまりに大量のメールが届いてわずらわしいことになう。
99頁 デジタルブック NECが1993年末に発売した。小さな画面とページをめくるスイッチから構成されている。この後に続く携帯電子ブックもみなこのかたちをしており先駆的ともいえた。媒体としてはフロッピーを使用するあたりが時代を感じさせる。
100頁 電子書籍コンソーシアム 1999年から2000年にかけて、電子書籍を実際に配布して、特定の書店などからダウンロードしてコンテンツを買ってもらうという実験を行った。評判はお世辞にも芳しくなかった。結局、PDAや携帯電話などの汎用端末を使って、インターネットからダウンロードさせるという形態に収斂していく。
103頁 ポストスクリプト書体 Adobe社が開発したページ記述言語PostScript に使うための書体。画面表示用のATMフォントとプリンタ用のフォントがある。フォントをプリンタ本体のハードディスクにインストールすることにより、フォントのラスタライズをプリンタ側で行えるのでスピーディに出力できる。―ということを理由に高い金を払わされて買わされたが、すぐにコンピュータの側の能力が上がって、速く出力できるという意味は失われた。それにしてもなんであんなに高かったのだろう。
104頁 トゥルータイプ書体 Adobe社がポストスクリプトを笠に着て値段があまりに高いことをいうのに対抗して、Adobe社とMicrosoft社が共同開発したパソコンの標準フォントフォーマットにもとづく書体。なめらかな画面表示とプリンタの種類に関係なく美しく印字できる扱いやすいフォントで文内にも書いたようにDTP価格破壊の立役者となった。
104頁 オープンタイプ書体 Adobe社とMicrosoft社が共同開発した(この頃、AdobeAppleMicrosoftの順列組み合わせで合従連衡しているだけですな)。拡張されたTrueTypeフォーマットと言ってよく、トゥルータイプのような手軽さで、ポストスクリプトのように解像度制限がない。プリンタやCTP側に高価なプリンタフォントをインストールすることなく直接出力できる。価格も安い。
114頁 PDF Portable Document Format (持ち運びできる文書形式)Adobe社が策定したファイルフォーマットおよびその関連技術で一ページごとに印刷イメージのままドキュメント化することができる。汎用性が高いが、あくまで、読むための規格であり、ワープロのデータのようにあとでの修正には向かない。
114頁 OCR Optical Character Reader (光学式文字読み取り機)印刷物や手書きの紙原稿を読み取って電子ファイルにする装置。欧米ではかなり実用になっているが、日本語の読み取りは発展途上である。
118頁 Yahoo・Google どちらも検索エンジン。キーワードを入れると関連するサイトを検索して呈示してくれる。これがなければインターネットはもっと混沌として使い物にならなかった。最近ではGoogleの躍進がめざましく、単なる検索エンジンではなく「あらゆる情報を整理する」と言い切っている。
121頁 ADSL Asymmetric Digtal Subscriber LIne (非対称デジタル加入者線)通常の電話回線を使って高速インターネットを可能にする技術。我が家では三年ほどしか使わなかった。考えてみれば過渡期の技術。
122頁 FTP File Transfer Protocol (ファイル転送プロトコルプロトコルとは手順のことだが、ここではインターネットを通じてファイルを直接やりとりすること。
125頁 デュアルディスプレイマシン 一つのコンピュータで画面を二つ使うもの。画面が思いっきり広く使えるので、いくつものソフトを同時に起動させるDTP作業には便利だし、事務用として表計算ワープロを同時に並べたりもできる。トリプル(三つ)、クオドラブル(四つ)で使う人もいる。
143頁 レイド RAID Redundant Arrays of Inexpensive Disks 直訳すると「安いディスクの冗長な配列」となる。これではなんのことだかわからない。数台の安いハードディスク等の記憶装置を、データの分散記録により高速で信頼性の高いディスク装置として使えるようにした技術。サーバーの安全性を高めるためによく使われる。
162頁 ウェブ投稿 インターネットのWWWページ(ウェブページ)で原稿を投稿してもらうシステム。学術書では普通になってきている。このあとの査読や編集もウェブ化が進んでいる。
163頁 ユニコード Unicode コンピュータ上で世界の文字を共通の文字コードにしようということで作られた。それまでは各国語がそれぞれ別々の文字コードを使っていたため、違う国同士でファイルを交換すると文字化けが絶えなかった。他の文字コード(符号化方式)との変換の整合性などでいくつかの問題も残る。
166頁 ネットゲーム ネットワークを利用したコンピュータゲームの一形態。それまでのコンピュータゲームが機械相手だったのに対し、ネットワークを通じて他のプレイヤーとやりとりしながらゲームが進行する。略称ネトゲ
167頁 ルーター ネットワークにおいて中継・接続を行う通信機器、ここでは家庭でよく使うインターネットと家庭内のLANを接続するブロードバンドルーターを指す。
167頁 コンピュータリテラシー Computer Literacy コンピュータをはじめとするIT技術を使いこなす能力のこと。リテラシーは元々読み書き能力のことである。これだけコンピュータが一般化しても学校ではあまり教えられていない。
176頁 TeX テフ、テックと読む。フリーで流通する学術文書向けの組版ソフト。特に数式組の正確さと便利さには定評がある。それもそのはず、これを書いたKnuthという人は数学者である。
176頁 XML Extensble Markup Language (拡張可能なマーク付き言語、JIS X 4159:2002)は、データを記述するマークアップ言語を定義するためのメタ言語である。そう言われても困ってしまうような説明ですみません。
176頁 UPS Uninterruptible Power Supply (無停電電源装置)は停電などの異常が発生しても瞬断をおこすことなく、電力を供給し続ける電源装置のこと。日本でもすこし規模の大きなコンピュータシステムには必須である。蛇足ながら、同じ名のアメリカの宅配便会社がある。こちらは United Parcel Service 。
180頁 モノタイプ 活字を拾うという作業は活版印刷の基本ではあったが、あまりにも労働集約的で、なんとか自動化したいという思いは幾多の発明家を突き動かした。多くの機械が発明されたが、実用化後広く使われたのはライノタイプとこのモノタイプだけである。モノタイプは自動鋳植機という名からわかるように、拾うのではなく鋳造する。タイプで打った文字が順番に鋳込まれて出てくる。まさしくてこと歯車時代の自動機械。181頁 父型 活字は凸版であるからそれを鋳込むためには字を凹型に刻んだ母型がいる。モノタイプはこの母系をセットして、次々に鋳込んでいく。そのまた母型を作るための元字が父型。ここからすべての活字が作られていく。

連載しているときより、読みやすく、分かりやすくなった。
それは、編集作業として、内容によって分類し配列したからに他ならない。
もちろん、時事ネタなどはこの種のものは、古くなるのはヤムを得ない。ここに挙げた注のうち、特に注にする必要がないと思われる物も、その当時はあまり知られていなかった語彙だったということだろう。
ただ、ときどき、誤植が目立つのが気になる。この注の中でも明らかな誤植と思われる物は訂正させてもらった。